空白依存症

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zoom RSS Bloc Party 『A Weekend In The City』(2007年)

<<   作成日時 : 2011/07/24 21:36   >>

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ちょっと戻って2007年のCDを。
これは今はレビューしないでおこう、というかちょっと書けないというか、好きなんだけどよくわからんという感じだった、正直。正直な話。
1stと比べちゃうからなんだろうなあ。

あと、とあるブロガーの方が書かれていたのだが、「緊張感が失われた」と。「中だるみしないか?」みたいなね。これ、大好きだけど「確かにそうかも…」と思ってしまったのも事実である…。ま、影響されやすい俺ってだけですが。
でも聴き直したらやっぱり良かったんで頑張って書いてみよう。。。


ということで、2007年最高な作品を上梓したブロック・パーティー。
乾いたギターや疾走感は後退したが、ダークでメランコリックな独特の質感が前面に出ており、サンプリング音や恐らく打ち込みなんかも適度に入って、完全に独自の世界を作り上げた傑作だ。と、聴き直してみて再確認した。


一曲目「Song For Clay (Disappear Here)」からオケレケの声は咽び泣く。力強いリズムとバーストするギター。不穏なサンプリング音から始まり、彼ららしい闇を切り裂くような鋭いギターリフ(かのART-SCHOOLも執拗にパクったであろう)に導かれる「Hunting For Witches」はもはや鉄板。2000年代ギターバンドの楽曲の中でダントツで好き。

鉄琴と浮遊感のある(たぶん)ディレイギターに誘惑されるような「Waiting For The 7:18」の、水面を覗き込む様な美しさ、「The Prayer」の怪しいパーカッションとコーラス、聴き直すと全然中だるみしないな…w
メロディは弱まることなくアルバムは進んでいく。「On」もしょっぱなからメランコリックで、Bメロからサビにかけてのオケレケの歌は悲痛であり、涙を誘う。混乱の中暴走するように、凝ったアレンジやジェット機が噴射したようなギターが聴けるのだがやはりメランコリックさが際立っている「Where Is Home?」。


そしてハイライトは何と言っても「I Still Remember」。ゆらゆらと、ふらふらと、しかしどこか力強くも聴こえるこのドラムの足取り。何より本作は全体的にメロディーが良い。オケレケの声がいい。まずはそれ。
極寒の中で鳴らしたような、張り詰めた緊張感があった1stに比べれば本作はその緊張感は無いだろう。しかし、他のバンドには似たようなバンドをあまり見ないような、優しい質感が出てるように思う。前作は「初期U2みたい」だと以前書いたが、敢えて言うなら本作はキュアーだろうか。しかもダークな面も、キラキラした面も同時に鳴らしているように思える。


ラスト「Sunday」「SRXT」2曲も、派手さは無いが優しくフェードアウトしていくように収まっている。本作の歌詞は読んでいないのだけど、ジャケットが象徴し、「The Prayer」「Where is Home?」というような曲名が示しているように、本作は都市に生きる人間たちの夜/闇を描く作品であり、ひっそりとささげられる「祈り」のアルバムなのだろう。「Sunday」「SRXT」のシューゲイザー的に歪ませたノイズ・ギターの輝きは、決して眠らない夜を生きる人間たちが本当の朝を待つように、光が差すのを渇望する救いの僅かな光を描いているのだろう。



うろ覚えだが、本作についてある日本のミュージシャンがこう述べていた。「the bendsを聴いたときのようだ」と。またあるミュージシャンは本作のメランコリアをWeezerの「ピンカートン」を引き合いに出して語っていた。
たしかに僕もそんな作品だと思った。つまり、オルタナティヴ・ロックの伝統を引き継ぎつつその先を広げる作品であり、極度にメランコリックであり、だからこそ聴き手にずっと寄り添う、愛おしいアルバムだということだ。
たぶん、日本の洋楽ファンの中でもこんな感想を持つ人たちが、少なからずいたはずだ。
それこそ、「00年代のレディオヘッド」のような大きな存在になっていくんじゃないかと…。


しかし、このブロック・パーティーの2ndアルバムは、僕が予想していたより騒がれなかったように思う―ー僕のこのような騒ぎ方に対して。別に「コケた」とまではいかないけれど、「まあそこそこ」な感じでその評価は過ぎていったように思う。(当時ツイッターやってたらどうだったんだろうな…)

もしかしたら、「新人UKバンドによくありがちな、1stははっちゃけてたけど2ndになって暗くなる…こいつらも例に漏れず」と世間では評価されたのだろうか。
もしそうなら、悲しい。・・・・まあ、この時イントゥできる洋楽の有名どころが彼ら含め数えるほどしかいなかったので、正直この文章も過大評価な気もしなくはないけれど、当時の僕はこうでした。


彼らは、次作3rdでダンスミュージックに大幅に寄ることになる(ニューレイヴのあおりでも受けたのか)が僕としては彼らのメロディーセンスがあまり感じられなくなったような気がして、またエキセントリックなサウンドに力を入れ過ぎている気がしてあまり聴いていない。その後活動休止。ケリーオケレケはソロで3rdを引き継ぐようなダンスミュージックをやっている。ギタリストのラッセルもなんかユニット組んでた。まあ、そんな感じだ。正直どっちも聴いたけどバンドでの熱を超えるような作品では無かった。あ、でも最近また始動するという噂も小耳に入れたが、どうなのだろう。



評価:9.1





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この頃はポストロックに影響を受けたバンドが続々と音楽性を変えていましたよね。僕はブロックパーティーもポストロック化したと捉えました。さもありなん、というか。正直飽き飽きでした。1stはドラムも魅力だったと思いますが、地味になりましたよね。悪くはないんだけど、食傷気味になってしまいました。
かおもじ
2011/07/26 23:46
>かおもじさん
なるほど、ポストロック化というのは、思ったことは無かったですが分からなくはないですね。しかし他のバンドもそんな感じだったんですか?例えばどの辺のバンドでしょう?僕このころホントガレージ・ポストパンク系が好きじゃなくて、この辺のバンド全然知らないんですよねw

確かにドラムの手数が減った感もありましたし、地味な作風ですね。でもこれ凄く好きなんですよねー。メランコリック度合が増したというか。
たびけん
2011/07/27 00:04

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