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zoom RSS The Get Up Kids『There Are Rules』(2011年)

<<   作成日時 : 2012/09/18 22:17   >>

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90年代末期〜00年代初頭のエモを代表するバンド、ゲット・アップ・キッズ。本作は彼らの再結成後の初のアルバム。

ゲット・アップ・キッズはエモの代表格と言われながらも、その実、サウンドをコロコロと変化させてきた。1stはMineralなど荒削りにしたような正にエモーショナル・ハードコアという趣であったが、2ndではアコースティック・ソングからパワーポップ、メロディック・パンクなどの要素が感じられ幅が広い作品だったし(おそらく一番人気があるだろう)、3rdは荒いエモーショナルさは減退したものの、よりパワーポップやギターポップに寄った穏やかで静謐な作品となり、4thは3rdを引き継ぎながらも彼らの総集編のようなアルバムだった。

再結成盤に、初期のころのような若さあふれるエモを期待してはいなかったが、4thの延長線上の洗練されたアルバムにでもなればいいなあ、などとファンとして妄想していたのだが、本作はおそらく上記のどの方向性にも属さないサウンド志向と言っていいだろう。


まず全編を通して、ノイズというかボーカルもフィルターがかかったような感じで、まずそこでとてつもない違和感。若干ながら感じられるのはポスト・パンクやニューウェイヴを参照した疑惑。M-2の乾いたギターはストロークスやその後のポストパンクリバイバルっぽいし、M-3はシンセ・ポップになっている。M-5も、これ今までのようなサウンドでやっていればなかなかのエモ・ソングなのだろうが、音割れしているシンセやトレモロ・ギターなどが妙に実験的な印象を残す。そのような要素はM-6で完全に表出し、なかなかのシリアスな曲なのだろうがやはり妙にノイジーなギターやエフェクトが入っている。

・・・と、このまま全曲解説しても仕方がないだろう。印象は同じだ。M-10なんかは演奏がスリリングではあるが…。理由は不明だが、妙に実験的になっているのだ。かつての彼らが音楽性を変えても多くのファンがついていったのは、どのアルバムも愛されているのは、彼らの音楽が歌心とグッド・メロディーに貫かれていたからだ。
本作にも、一応、エモーショナルなメロディーは見つけられなくもない。やはり、マット・プリオールの声だ。しかしそのボーカルは靄がかかったような録音(もしくはアレンジ?)なのだ。彼らの良さを思いっきり殺しているのだ。


まあ、今聴いたら買ったときよりもゲットアップキッズ感を感じられている。ただ敢えて去年聴いていた感想をそのまま述べさせてもらえば、何故再結成一発目のアルバムでこのようなサウンドを選択したのか?と。

90s末期エモ系バンドの現在の動向として、人気を二分したジミー・イート・ワールドはセルアウト気味で巷のポップ・パンクと変わらない、美メロ・アメリカン・ロックバンドとして生きることを決めたように見える。再結成したFarも、上梓したアルバムはモダンなエモに寄った感があった。その中でゲット・アップ・キッズがセルアウト路線に行かずに、ノイズやポストパンクを取り入れたのは好判断なのかもしれない。どちらかと言えば近年のインディー・ロック・リスナーなら違和感なく聞けるような音像と言える。しかし、再結成してまで、やることかこれ?常に変化してきたバンドだ、だから新しいサウンドに挑戦したいという気持ちも分かる。わかるのだが、過去の彼らに思い入れがある人は殆ど渋い顔をしているんじゃないかな。


とはいえ、M-1、M-5、M-12なんかは彼ららしいエモーショナルな、こみあげてくる歌が聴けるほうの楽曲だ。でも、こう「きたっ!!」ってところで妙にダークなメロディーに移行したりもするんだよな…。爆発感もなければパワーポップの穏やかさもない、不穏なサウンド。うん、ほんとダークなんだよ。ボートラのM-13とかノイズ・バンド化してるよ。失敗したアニコレみたいな感じかも。まあ、このササクレ具合は、エモ史を逆行してフガジなどの実験的なエモーショナル・ハードコア勢に接近した、ルーツさかのぼったと考えられなくもないような・・・?考え過ぎか?うーん。
音像・メロディー・アレンジどれも「なんでこんなんにしちゃったの?」という実験作。心意気は買うけどもね…。
ゲットアップキッズの新作!として聴かないほうがいいだろう。近年のインディー系バンドだと思い込みましょう。



評価:6.0








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