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zoom RSS The Rolling Stone『Let It Bleed』(1969年)

<<   作成日時 : 2016/07/18 17:24   >>

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サイケデリック・ロック・ブームは67年に頂点を迎えるが、68年にはシーンの先頭を走っていた人達はどんどんサイケデリックを離れていく。スヌーザー2008年4月号の「歴代デビュー・アルバム700枚から振り返るロックンロール50年史」から引用しよう。


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マーティン・ルーサー・キング暗殺。そして、ケネディ暗殺。
ベトナム戦争はさらに混乱を極め、世界は次第に狂気を宿しだす。
白人達のロックンロールは次第に暗さと重さを宿していく。
誰もが少しづつ愛と平和という夢から覚めていくのだ。
そして、ウッドストック郊外で人知れずディランが育んでいた種は、
ザ・バンドの傑作1stアルバムとして花開き、
次なる大きな潮流として全世界に飛び火する準備に入っていた。(p68)


ザ・ホークスと名乗っていた5人は、ビッグ・ピンクと名付けたウッドストックの小屋で繰り広げられる、当時、隠遁していたボブ・ディランとの、永遠に続くかに思われたセッションから、フォーク、ブルーズ、ゴスペル、カントリーといった米南部のルーツ音楽を今一度ロックのフォーマットに取り入れた作品を生んだ。サイケデリアがラヴ&ピースという眩い可能性の夢から、いつの間にか、一向に覚めないバッド・トリップへと変質していく中で、一足先に彼らザ・バンドはそこから離れ、現実の世界に踏み出すことを選んだのだ。(同ページThe Band『Music From Big Pink』のレビュー)


愛と平和の祭典<ウッドストック>は天国だったのか、それとも ?
69年12月には、「オルタモントの悲劇」勃発。間髪入れず、
ビートルズが崩壊。そして、相次いで、ジミ・ヘンドリックス、
ジャニス・ジョップリンが他界。「夢は終わった」とレノンが歌う。
(中略)
そして、誰もが一斉にアメリカ南部に目を向け始めていた(p71)


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とまぁ、少し前後はするが1968〜1970年くらいのロックシーンの状況はこんなんだったということだ。
もちろん、ゾンビーズの『オデッセイ・アンド・オラクル』のようなサイケデリック・フォロワーはむしろ68年に多く出てきたという話もあるが、第一線のミュージシャン達は愛と平和を先導するサイケデリクスに別れを告げていたとみていい。ビートルズは「昔のように楽しくバンドやろうぜ!」と(ポールがやる気あっただけっぽいが)「ゲット・バック・セッション」をはじめたのも無関係ではないだろう。

だから今回はザ・バンドの1st、もしくはエリック・クラプトンが南部ブルースに触発され結成したデレク・アンド・ザ・ドミノスのどちらかを取り上げるべきなのだ(そういった音楽はサザン・ロックと呼ばれ、70年代にオールマン・ブラザーズのようなバンドが全盛を迎える、という理解でいいのだろうか)。だが、敢えてここで60年代中盤で取り上げなかったローリング・ストーンズに登場してもらう(前置きが長かった……)。



ストーンズも66年、67年にはサイケデリックに走っていたのだが、『ベガーズ・バンケット』において自らのルーツであるブルースに回帰し大ヒット、廃人化し機能しなくなっていたブライアン・ジョーンズを非情にも切り捨て、名盤連発の全盛期に突入する。
だからここで『ベガーズ』でも良かったんだが(「悪魔の憐れむ歌」「ストリート・ファイティング・マン」が入ってるし…)、1曲目「ギミー・シェルター」がかっこいいという理由だけでの選盤である(クソ理由)。
いやしかしイントロとか、ギターが鋭く入ってくる感じとか現代のギターロック育ちの僕にも「おおっ」と思わせる感じがあったといいますかね、どうでしょうかね。


僕が初めてちゃんと聴いた洋楽は何を隠そう、ストーンズなのです。ストーンズの『Jamp Back』というベストアルバムで、これは主に70年代から90年代初頭までのストーンズのベストで、だから「サティスファクション」も「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」も入っていないわけ。そして当時の僕はアジカンやビークルを聴いていた人間なわけで(今もそうだけど)、理解するのが困難だった。それでも何度も聴くと「スタンド・ミー・アップ」「ブラウンシュガー」「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」等のロケンローな楽曲のノリを理解していく。僕に50年代的な、原始的なロックンロールを教えてくれたのはストーンズのこのベストと、ミッシェル・ガン・エレファントなのだ。

そのベストは60年代のストーンズがほぼ収録されていないが、それでもノリノリなストーンズの良さは詰まっていた。しかしそこからオリジナルアルバムへ向かうと、ストーンズって結構ユルいな、と思ったのだ。

当時の現代的なギター・ロックやメロコアを聴いていた耳では「ブラウン・シュガー」もそりゃあユルいんだけど、それ以上にゆっくりとしたカントリーやブルースが目立つなぁというのが、ストーンズのオリジナル・アルバムの正直な感想で、特に最高傑作と呼ばれる『メインストリートのならず者』なんて渋すぎるなぁと思ってしまうんだけど、このレット・イット・ブリードも1曲目の派手さに加減にしては他のユルい曲も目立つ。
ロバート・ジョンソンのカヴァー「Love in Vain」のアコースティック・ブルース。カントリー調の「Country Honk」。スライドギターが気持ちいい「You Got the Silver」。「You Can't Always Get What You Want」も最初静かな感じで始まるし、ストーンズらしいゴスペル・ソングだけど。


だから、天気のいい日曜の昼間にだらだらしながら聴きたい、できればハンモックに揺られながらか、一杯やりながら聴きたいようなゴキゲンなブルース/カントリー集というのが僕の正直なストーンズ、本作のイメージで、でも多分それこそ『レット・イット・ブリード』がルーツ回帰作なんだってことなんだろうな。
歌詞はベトナム戦争の影響なんかでかなりヘヴィになっているのだけれどね……。


話を広げてしまうと、今の耳(ロキノン系的な耳)で聴くと「ユルく」思えてしまうものが多いのが洋楽のロックなのかもしれないんだけど、そこが段々理解できるようになっていく楽しさ、面白さがこう名盤巡りにはあってそういう楽しみを少しでもレぺゼンできればなっていうのがこの企画なのかも。









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