空白依存症

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zoom RSS Mineral 『the power of failing』(1997年)

<<   作成日時 : 2011/03/07 16:01   >>

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前回・前々回の記事が「名盤中の名盤」の影響力を考慮しつつも自分にもフィットする音楽としての高得点ということならば、今回は完全に自分の趣味嗜好としての高得点である。
つまり俺なりの10点満点とは?ということを考えたなら、まあとりあえずこれでしょうということになる。


「エモって何?」と訊かれたらとりあえずこれを借しますね。そういうアルバムです。
最近の美メロ+ラウド+メロコアみたいな現代の産業ロックたるエモではなく、いわゆる旧世代エモーショナル・ハードコアバンドの1stアルバム。


80年代のUSハードコア・パンクの、形態だけを脱してその精神と本質だけ残す……(と書くと意味不明だけど)そんなバンドであったFUGAZI。その周辺のバンドが、不協和音やハードコアにより叩き上げられたスピードのあるドラムによる変拍子を使い、ハードコアの回転数を落としていった。そして、それはだんだんと歌心を持っていき、POPにもなっていく…。その一連の流れこそが「エモ」「エモコア」というジャンルだとすれば、このMineral(ミネラル)というバンドは、ハードコア的な激しさと、それ以降の歌心を絶妙なバランスで融合したバンドだ。「エモ」がもっとも脂がのった時代はまだ少し後だが、その直前のドキュメントとしては最高。


固い質感のクリーントーンのアルペジオに乗って、よくわからんメロディがヘロヘロと歌われる。こういうヘロヘロな感じはこのころのエモバンドに特徴的だが、Radioheadからの影響と言う説もあるようだ(個人的には違うと思うけど)。

基本的には初めはクリーン、サビで轟音という、よくありがちなエモなわけだけど、これが胸に刺さるのだ。
音が明らかに悪い録音による轟音は、青い炎が轟々と燃えているようだ。
そして、その轟音に負けないように負けないように、ただただ必死に歌われるメロディ。分かりやすくはないが、涙腺を直撃するようにこみあげてくる。


「Gloria」が名曲と言われているが、一曲目の「Five, Eight And Ten」も負けず劣らず最高だ。真っ暗な部屋に明かりを灯すような、闇を照らしてくれるような歌だと思った。今聴くとクランチのギターの音が悪すぎて痛々しいが…笑
静と動のコントラストが映える「Slower」、さてぃすふぁ〜い…と連呼し続け悲痛な叫びをあげる「Dolorosa」、曲の最後に疾走するカタルシス抜群の「80-37」など…つーか、全曲泣かせにかかってくるわけですよ、このアルバムは。


ハードコアあがりのバキバキのドラムがこの辺の旧世代エモバンドの特徴ですが、このバンドの唯一の弱点はドラムが大したことないこと、っていう意見もあるようですが、速射砲のようにドコドコやらずに、着実に足を進めるようにボトムをキープするドラムも、実はこのバンドのエモさを助長してると思ったりするので俺は全然OK。


セカンドアルバムは、近年のキンセラ兄弟の路線のように洗練された感じになっていて、その方向性は本作なら「Silver」にその萌芽を見出すこともできる。その洗練された音楽もいいけれど、やはり僕はこの1stアルバムの勢いと直情的なエモーショナルに断然、軍配が上がる。音の悪さすら味方に付けた、どこをどう切り取っても青臭い、青臭すぎるギター・ロック・アルバムなのだ。


この音楽はそう珍しいものではないかもしれない。彼らのフォロワーであるPenfold(全作廃盤である)、あとはTaxas is the Reasonや、Edaline、Christie Front Drive 、彼らよりもハードコア寄りで男臭いけれどKnapsackなど、似たようなバンドはポスト・ハードコア〜エモ界隈に多く居たようだが、やはりその象徴としても本作は飛び切り素晴らしいのでしょう。
未だに粘着気味な(笑)頑固なエモ野郎どもから支持は絶えず、そんな奴らが神と崇めるSunny Day Real Estate、初期 Starmarket 、初期The Get Up Kids、初期Appleseed Castらと同格の、むしろそれ以上の評価を受けていることからも、伝説的バンドであることは間違いないでしょう。


「take the picture now」の、一歩一歩踏みしめていくようなリズムと轟音、その音圧に明らかに負けながらも叫び続けるボーカル、これがたとえFUGAZIのイアン・マッケイが「エモコアイズスチューピッド」と言い放とうとも、「エモ」という謎の言葉に取りつかれた人間ならば、「これをエモいと言わずになんと言うのか」という、そんな感じなのだ。
「parking lot」とか、これが本当の美メロでしょ、ってな具合に哀愁抜群だし。


なんかリマスターされた、再発されたみたいな噂聴いたんだけど、違うのかな。廃盤になる直前に買った俺はタイミング良すぎだぜえ…涙。
どうやら最近ベストアルバムが出たようなので、僕は聴いてないのだけれど、それから聴いてみるのもいいのかもしれません。


僕もエモの名盤をまだまだ聴ききれてないけど、僕の中では、ロック史に燦然と輝く、並み居る名バンドの名盤と同格かそれ以上にこの手のバンドのアルバムが燦然と輝いているわけであります。ま、この手のバンドで出会ったのがたまたまMineralだったというのが僕の好評価の理由なのかもしれないけど。


現時点では墓場まで持っていきたいアルバム候補。


近年、Sunny day real estate、Far、The Get up kidsなどの旧世代エモバンドの再結成がよくありまして、自分たちがやっていた音楽が完全に産業化されたことに対してのリアクションなんじゃないかと個人的には妄想しているわけですが、Mineralは再結成しないんですかね。後にヴォーカルとドラムが組んだザ・グロリア・レコードも素晴らしかったけど、とにかくこの人の声聴きたいなあ。「Gloria」のイントロ生で聴いたら死んでもいいとかそういうレベルじゃない。死ぬんじゃないかな俺。むしろ聴いた瞬間嬉しすぎて失禁しながら自殺するんじゃないかな。笑 


とにかく青臭さのカタマリ。再発されてないのであれば、これ再発しないのはアメリカのインディーロック史はダイアモンドをドブに捨ててることと同じです。



評価:10.0




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